バイクカーにとって、冬になるときになるグリップヒーター。
グリップヒーターそのものは手ごろ値段から用意されているけれど、工賃が高いですよね。
今回、自分のバイクにグリップヒータを取り付けてみたので、その取り付け方法をこのページで解説いたします。
概要
冬になるたび気になっていた指先の防寒対策。
新車になり長く乗る予定なので、今回ようやくグリップヒーターをインストールしてみました。
このページでは社外品のグリップヒーターの取り付け方について解説しています。
グリップヒーター注文前に確認すべきこと
純正部品を注文する際は車種年式に対応したものを販売店に注文すれば問題ないと思います。
また、社外ブランドメーカーの汎用商品を購入する際は、対応車種を確認して購入すればまず問題ないと思います。
バイクパーツショップ、バイクパーツ量販店などで購入する場合は店員さんに質問して購入すれば問題ないと思います。
ただネット通販などで、社外品グリップヒーターを注文する際は取り付ける車両に合ったものを基本、自分で確認する必要があります。
ネットで購入するにあたって重要なことは主に3点。
ハンドルバーの太さに合ったものを選ぶ
最近のほとんどのバイクのハンドルバーの直径は22mm(22.2mm)です。
市販されているグリップヒーターは、ほぼこのサイズに対応したものですが、事前に確認しておく必要があります。
また、スロットルのインナーパイプ(右側グリップラバーの中にあるスロットルワイヤーに繋がった部分)の付いていないグリップヒーターもあるので、車両に取り付け可能な物なのか確認する必要があります。
外観サイズの確認
グリップの長さを確認しておく必要があります。
数ミリの違いであれば取り付けできると思いますが、原付スクーターなどは極端に短いグリップが付いているものもありますので注意が必要です。
タンクと干渉しないか
スイッチ一体のグリップヒーターの場合はタンク(タンクカバー)とスイッチの余分な出っ張りが接触してしまう場合があるので取り付けたときにタンクと干渉しないか確認しておく必要があります。
スイッチの取り付け場所はあるか
また、別体のスイッチ付きの場合はスイッチを取り付ける場所があるのか確認しておく必要があります。
グリップヒーター本体の取り付け
作業の前に
グリップヒーターを取り付ける際、タンク(タンクカバー)などに傷をつけてしまわないように、タンクなどを毛布で覆うなどの養生をする必要があります。
傷つけて公開する前に気になる箇所は徹底的に養生しておきましょう!
既存グリップの取り外し
グリップヒーターを取り付けるにあたり、まず現在取り付けられているグリップを取り外す必要があります。
バーエンドの取り外し
まず、グリップエンドを両側外します。
中央部の取付ボルト形状に合わせた工具で半時計回しに回転させて外します。
スロットル側
スロットルワイヤカバーを外します。
防水ラバーを外し、ボルトを緩め上下に分割して外します。
油断すると下側のワイヤカバーを落としてしまうので注意が必要です。
ワイヤーカバーが外れたら、続いてスロットルワイヤーを外します。
スロットルワイヤーが外れたら、グリップを外に抜けばよいだけです。
左側
左側はボンドで張り付けられているものが、ほとんどのようです。
マイナスドライバーやマイナスの配線ドライバーをグリップラバーとハンドルバーの間に突っ込んでボンドを剥がして外します。
その際、「パーツクリーナーをグリップラバーとハンドルバーの間に吹き込めばよい」と他のブログなどで説明されていますが、滑りが良くなればなんでも使えますので、パーツクリーナーでなくてもシリコンオイルスプレーやせっけん水などを吹き込んで作業しても使えます。
ただ、オイル系の物を塗布した場合、後でパーツクリーナーやホワイトガソリンなどで脱油する必要があります。
また、配線ドライバーで作業することが当たり前のように説明されている方もいらっしゃいますが、普通のマイナスドライバーの方が太い分、力が入りやすく作業がしやすいように思います。
※ドライバーなどを使い、力のかかる作業をする場合は目を突かないようにゴーグルなどを使い目を保護しておくことをお勧めします。
グリップヒーター本体の取り付け
スロットル側
ハンドルバーをパーツクリーナーなどを使い吹き上げておきます。
スロットル側のグリップのパイプ部分やスロットルワイヤーの掛かる摺動部分にシリコングリスを軽く塗布しておきます。(ゴムやプラスティックを侵さないグリス系の物ならなんでも良いと思います。ちなみに私はチェーンルブを使いました。)
スロットルグリップをハンドルバーに差し込み、スロットルワイヤーを掛けます。
スロットルワイヤーカバーを元に戻します。
ワイヤカバーに位置決めのポッチが付いているものは、ハンドルバーの穴にワイヤカバーのポッチを合わせて組み込む必要があります。
位置決めポッチの無いものは元通りの適切な位置決めをして固定する必要があります。
スロットルを回し、問題なく回転するか確認します。
回らなかった場合…
スロットルグリップを組み込んだ後回らなかった場合はこちらの記事をご参考にしてください。
https://planet-walkers-club.com/throttlegrip/
左側
左側はそのまま差し込むと力を入れたときに回転してしまう場合があるのでボンドで張り付けます。
鉄&ゴム対応のボンドならなんでも大丈夫です。
私の場合、自宅に在った靴底貼り付け用のボンドを使いました。(笑)
ボンドをハンドルバー側に塗布すると、はみ出したボンドを掃除するのが大変なので、グリップの内側に塗布して装着します。
左右のバーエンドを元に戻し、グリップの位置決めをして本体の取り付けは完了です。
配線
付属品の取り外し
シートやタンクカバー、カウルなど配線作業に必要なパーツを取り外します。
タンクカバーの取り外しが必要な場合はこちらの記事をご参考にしてください。
https://planet-walkers-club.com/mt07tankcover/
電源探し
バッテリーから直接電源を取れば簡単ですが、ヒーターのスイッチを入れっぱなしで放置した場合、バッテリー上がりの原因になりますので、イグニッションキーをエンジン始動状態まで回した時に電流の流れる電源を探します。
既にETCなどのオプションパーツが付いている場合は、通電を確認して同じ電源元から取り出せば問題ないと思います。
不明な場合はテスターを当てて電源を探す必要があります。
ヤマハのMT系の車両はライトリレー辺りからの電源取得したりするようですが、よくわからない場合は徹底的にカプラーにテスターを突っ込んで探します。
私のMT-07の場合はバッテリー横の何かのアクセサリー用と思われる空きカプラーからETCの電源が拾われていたのですが、そこからグリップヒーターのイグニッション電源を抜きました。
配線の取り回し
スロットルグリップから配線ケーブルが出ているタイプの場合、フルスロットルにした場合に配線ケーブルが切れないような位置に配線ケーブルを止める必要があります。
また、つ繰り返しスロットルを操作した場合に配線ケーブルに負荷が掛かり疲労断線してしまわないように余裕を持った位置に配線ケーブルを止める必要があります。
パーツによってはミラーと共締め用の配線ステーが付属しているものもありますが、使い辛ければ、スロットルワイヤケーブルなどに結束バンドを使い固定してしまっても問題ありません。
次に左右の配線を繋ぎ、配線を固定していきます。
付属の電子部品がある場合はハンドルを回した時に接触しない部分に結束バンドなどを使い固定します。
電源までの配線が足りない場合は、市販の物を購入し、延長結線します。
結線は電気抵抗を極力少なくするためにはんだ付けをお勧めします。
結線した個所は熱収縮チューブを使うか、絶縁テープ(ナイロンテープ)を巻いておきます。
熱収縮チューブを使った方が仕上がりがきれいになりますので絶縁テープより、お勧めですが、結線作業前にチューブを通しておくことを忘れてしまうと後悔するので注意してください。
キットの配線にヒューズが付属されていない場合、電源取り出し部分近くにヒューズを取り付けることをお勧めします。
ヒューズのワット数は10~15W程度の物で大丈夫と思います。
電源取り出し部分の結線をしたら絶縁テープを巻いておきます。
最後にアースの配線(黒)をフレームにアースするか、バッテリーのマイナスに直接結線します。
アース接続の端子が付いていない場合、配線を直に接続すると断線の原因になりますので、出来れば配線キットを使いアース端子をアース配線に取り付けてから接続する子をお勧めします。
どうしても直で結線する場合は配線がパタつかないように結束バンドで接続付近をしっかり固定してください。
取り回した配線を結束バンドなどを使い、パタつかないように確り固定してします。
スロットルワイヤーの遊び調整
グリップヒーター本体を装着し、配線まで終わったら作業終了ではありません。
スロットルグリップを交換すると、スロットルのあそびが変わってきます。
エンジン側のスロットルワイヤ取り付け部分でスロットルのあそびを調整します。
あそび0では、スロットルが完全に閉じられていると言う保証はないので、スロットル操作に違和感がない程度にあそびを持たせて調整してください。
まとめ
如何でしたか?
社外品のグリップヒーターは比較的お安く手に入りますが、取り付け説明書がない、動作保証がないなど、不便なところも多く、追加の配線購入が必要だったり、パーツを加工するなど面倒な作業が追加されるケースも多いです。
取り付けに不安のある方は純正品を購入する。
社外品を取り付けるのであれば、ショップで購入して、ショップで取付をお願いするなどのほうが良いかもしれませんね。
また、整備には整備中、整備後において危険が伴うものでもあります。
「機械が苦手、作業が不安、どのくらいの力加減で締め付けを行ったらよいかわからない。」と言ったような方は業者さんに任せるようにしてくださいね。
※このページに書かれた取り付け手順はあくまで参考です。
個人の作業にともなく事故、不具合に関して保証するものではございません。
作業につきましては、自己責任にてお願い申し上げます。