天気の良い日はアウトドアで子供に楽しませたいランニングバイク(ストライダー)ですが、過去にはランニングバイクに乗っていた4歳児が事故で無くなると言うなんとも痛ましい出来事もありました。
ランニングバイクが流行っているようですが安全な乗り物なのでしょうか?
この事故やランニングバイクに関してリサーチしてみました。
ランニングバイクとは?
出典;STRIDER
ランニングバイクとは「ペダルやブレーキが無い自転車のこと」の総称で、有名な商品名として「ストライダー」と言うのがあり、ランニングバイクの通称としてこの「ストライダー」と言う言葉が一般的に良く使われています。
「トレーニングバイク」とも呼ばれています。
日本語的には「ペダルなし二輪遊具」とも言うそうですが普通そんな風に言う人は居ませんね。(笑)
ランニングバイクは自転車に乗る前にバランス感覚を養う練習用の遊具として昨今では当たり前のように普及しています。
かつては幼児の乗り物と言えば3輪車でしたが現在はこのランニングバイクに取って代わられていると言った感じになっています。
ちなみにストライダー[strider]とは「歩く人」と言う意味があります。
関連記事:ストライダーってどんな乗り物?メリットや効果は?注意するべき5つの事柄や創業者の想いとは…
ランニングバイクの安全性について
出典;STRIDER
小さなお子さんがランニングバイクに乗り、保護者の方が寄り添い、散歩をしている姿を時々、目にすることがあります。
しかし、ご存じない方も多いかもしれませんが、このランニングバイクには自転車のようにブレーキやライト、反射板と言った保安部品が付属していません。
つまり、公園のような閉ざされた場所でしか使用することが出来ず、公道で走行することは違法行為に当たります。
このランニングバイクは大人たちが思っているよりスピードが出るものなので、公園など、他の人が出入りする場所で使うにしても、それなりの注意が必要になります。
また、不意な転倒でケガをする可能性もあるため、ヘルメットやプロテクターなど身を守る装備を装着しておく必要があります。
事故事例など
下記のグラフは消費庁による事故発生件数の推移です。
出典;消費庁
これはランニングバイクの普及にあわせてと言うことになるのでしょうか、年々右肩上がりで推移していますね。
消費庁発表の事故事例
消費庁からは下記のような事故事例が発表されています。
【事例1】 ヘルメットは装着していたが、道路で乗っていた。坂を下りているときに止まれず 電柱で顔面を打撲した。下唇が腫れ上がり出血。上の歯ぐきも出血。 (平成 31 年1月、4歳、即日治療完了)
【事例2】 下り坂を走行中、道路の凹みに引っかかって、止まれず頭から地面に激突し、その 勢いで前方に 1 回転した。おでこに 1 センチ程度の切り傷、唇が腫れ上がり、左腕と 右膝に擦り傷。ヘルメットは装着していた。 (平成 30 年4月、3歳、即日治療完了)
【事例3】 ヘルメットを着用せず、道路で乗っていた。歩道を走行中、交差点で止まろうとし た際によろけて右側に転倒。その際に走行中の自転車のスタンドに右側頭部を打撲し た。頭部の切り傷を1針縫合。 (平成 30 年3月、2歳、要通院)
【事例4】 マンションの中庭で遊んでいて、乗ったまま、階段を滑り降り、10 段滑落。最後で 前方に転倒し、頭部を打撲した。地面はタイルが敷き詰められていた。ヘルメットは 未装着。嘔吐したり、意識がなくなったりということはなかったが、眉間を5針縫合。 ヘルメットを装着していれば防げたと考えれられる。 (平成 30 年7月、4歳、要通院)
【事例5】 公園のコンクリートの坂道を下っていたときに転倒。顔面からコンクリートの地面 にぶつかった。すぐ泣いて、嘔吐や意識消失はなかった。ヘルメット着用なし。おで こに5cm ほどの腫れ。おでこ、上唇、左腕、左膝に擦り傷。 (平成 30 年5月、2歳、要通院)
出典;消費庁
どれもちょっとした安全への心使いで防げたような事故のように思いますね。
崖から転落
2019年8月に新潟県の関川村で、ランニングバイクに乗っていた4歳の男児が、道路脇の崖からおよそ20メートル下に転落し、顔の骨を折るなどの大けがをしています。
現場は緩い坂道で崖側にガードレールなどはなかったそうです。
保護者の有無など詳しい状況はわかっていませんが、恐らく車の通りがほとんどない山間の道路なので安全だと認識違いをしたのでしょう。
あまりに危機感のない話です。
またその時、近くにいた54歳の男性が助けに向かったそうですが、途中で滑落し、頭を強く打ち死亡しています。
坂道での使用の注意喚起
国民生活センターは2014年にランニングバイクの坂道での使用による事故に関して注意喚起の情報を出しています。
PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・システム)には本年、男児が坂道を下った先で衝突し、小枝が顔に刺さり重傷を負う事故が1件見られました。さらに、医療機関ネットワークには、2010年12月から2014年4月までに、幼児によるペダルなし二輪遊具での危害事例が18件(注3)寄せられ、そのうち、「坂道で止まれずに転倒した」、「障害物と衝突したりして受傷した」といった、坂道での事故が11件見られました。
出典;国民生活センター
ブレーキが無いわけですから、普通は坂道なんかで乗せたりはしませんがこのような事故も起きています。
また、大きな公園などでは起伏のあるところもありますのでそう言った場所での利用も避ける必要があると思います。
過去の死亡事故
祖父と散歩中の女児死亡
2018年9月にはランニングバイクに乗った女児が祖父と散歩中に事故に遭い死亡すると言う痛ましい事故が起こっています。
事故が起こったのは午後7時10分頃、岡山県倉敷市玉島八島の市道交差点でのこと。
近くに住む4歳の女の子がランニングバイクで走行中に、ワンボックスカーと衝突しました。
現場は信号のない交差点で、女児は左折してきたワンボックスカーの前部にぶつかりました。
直ぐに病院に搬送されましたが、体を強く打っていて約2時間後に死亡が確認されたそうです。
ヘルメットは着用していなかったの事でした。
9月の午後7時と言えばもう薄暗くなっている時間帯でもあります。
自動車の運転手は小さな女児を確認できなかったのでしょう。
祖父の方は後方で犬を連れて歩いていたと言うことですが、目の前でお孫さんを亡くしてしまい、さぞお辛いことでしょうし、自責の念にもかられていることと想像できます。
この祖父の方をはじめ、幼い子供を亡くした親族の方々の気持ちは察するに余りあります。
事故現場
事故現場は「岡山県倉敷市玉島八島の市道交差点」と言うことです。
信号機のない市道の交差点と言うことなので本当に小さな交差点なのだと思います。
大きな街灯の付いた信号機のある交差点であればこのような事故は起きなかったはずです。
3歳の女の子が車にひかれ死亡
出典;UHB
2024年4月13日
北海道で3歳の女児がワンボックスカーにひかれ死亡すると言う事故がありました。
事故が起きたのは岩見沢市志文町のセンターラインの無い市道です。
時間帯は17時半くらいとのことです。
当日の札幌の日に入りは18:14分頃ですのでまだ十分明るい時間帯だったと言うことになります。
車を運転していた会社員は容疑を認めていて、車の発進時に明莉ちゃんをひいたとみられ、被害者となった女児のそばにはランニングバイクがあったそうです。
接触したのはワンボックスカーと言うことですので発進時、小さな女児が死角に入ってしまい接触するまで気が付かなかったと思われます。
保護者が近くに居たのかどうかと言う情報はありません。
この事故は女児がランバイクに乗っていなくても起こり得た事故なのかもしれません。
しかし、「公道でランバイクに乗ってはいけない」ことはもちろん、「道路で子供を遊ばせない」、「車の通る場所では保護者が目を離さない」と言ったことの徹底で防げた事故のような気がします。
関連記事:ストライダー(ランニングバイク)は何歳からはじめたらいいの?2歳前?2歳?2歳半?上達のコツは?
まとめ
出典;STRIDER
事故事例を見ると、「公道で乗らない、坂道で乗らない、ヘルメットなど保護具の着用」などを徹底すれば、事故そのものが発生しなかったり、事故が起こったとしても軽傷で済んだとみられるものばかりです。
外で遊ぶと言うことは、ケガなどのリスクが多少なりとも付きまとうものですが、死亡や重傷事故に繋がるようなことだけは絶対にあってはいけません。
ルールを守ることにより、事故は最小限に抑えることが出来るものです。
ルールを守り、自分も子供も楽しく遊びたいものですね。