SNSを通じて、怪しげな教材を購入してしまったり、詐欺にあった方はいらっしゃいませんか?
先日、私の友人が引っかかってしまいました。
その友人の許可を得て、他の方が同様の被害に遭わないことを願い、こちらのページを書き上げました。
Contents
SNS詐欺急増中!
ネット詐欺に引っかかった友人によれば、ネット振り込みに使った銀行の詐欺被害専用ダイヤルに電話したそうですが、なかなか繋がらず、30分ほど待機状態のまま待ってようやく担当者に繋がったそうです。
また、被害届を出した警察署でも、毎日何件も相談があると言われたそうです。
詐欺と言えば高齢者を狙った振り込め詐欺を思い出しがちですが、SNSを介すなどネットを使った詐欺事件は今や空前の大盛況を呈しているようです。
警察の方も追跡の手段がないのか、追跡には膨大な手間がかかるのか、「警察側に検挙しようとする意志が感じられなかった。」と、被害届を出しに行った友人は語っていました。
閲覧前の注意事項
※ ここでは未だ犯人が起訴されている訳ではないので加害者のfacebookのアカウントは公開しません。
※ ラインに表示されていた姓名に関しては、同姓同名の方が誤って誹謗中傷を受ける可能性があるため姓は削除し、下の名前だけの記載にしています。
※ 振込人名義も公表すると同姓同名の方の迷惑となるため非表示に致します。
※ 公開している偽サイトに関しては警察に連絡しているため、閲覧制限が掛かっている可能性があります。
そこから先へ進む場合はご自身の判断にて自己責任の範囲内でご覧ください。
どのような詐欺だったのか?
犯行は恐らく、グループで行っているものと思われます。
グループの中で、人の心に入りやすい会話に秀でた人物が実行役となるようです。
実行役犯人はまずSNSを通じ、交流を持とうと画策します。
そして、コミュニケーションが出来そうだと感ずるとLINEでの交流を促します。
自分がやっている副業ビジネス(越境ECビジネス)を匂わせ、最終的にそのビジネスへの参加を持ちかけてきます。
どう考えても怪しそうな話ですが、言葉巧みに相手の心に入り込んでくるため、疑うことを忘れ、信じ込んでしまうようです。
越境ECビジネス概要
持ちかけられたビジネスは越境ECビジネスと説明されたそうです。
具体的にはAmazonや楽天のような場所に出店し、
いわゆる無在庫物販(ドロップシッピング)で、主にアメリカで日本の商品を販売すると言うものだそうです。
ショッピングモールの運営会社が商品を在庫していて、
運営会社が用意した商品群の中から、出品する商品を選び、モール内の自分の店舗に掲載します。
商品が売れると仕入れ代金を運営会社に払うことにより、購入者のもとへ商品が発送されます。
商品が届くと、購入者の支払った購入資金は決済され、出店者のウォレット(サイト内口座)に入金される仕組みになっています。
利益は1割程度ですが、出店者が商品に触れることがなく、PCまたはスマホの操作だけで済むため、とても効率の良いビジネスとなっています。
ですが、考えてみれば大きな矛盾があります。
普通の無在庫物販と違い、モールの運営会社が在庫を持っているため、直接、顧客に販売できるシステムにすることは出来るはずです。
わざわざ出店者を募って販売する意味がわからないですよね。
※ 通常のプラットフォーム(運営会社のサイト、日本でいえば楽天、メルカリなど)であれば出品商品の削除、売れた商品の出品者側キャンセルは可能。
資金の引き出しも自由。
ただし、出店の際には身分証明書などの提示や審査、面談が必要。
この越境ECサイトに関しては身分証明書の提出も審査も無し。
メルアドの確認も、住所の確認も無し。
模したと思われる会社
越境ECビジネスでネット検索すると「WORLD FIRST」と言う会社が引っかかってきます。
しかしこちらの会社は、ショッピングモールの経営などはしておらず、国境間の資金管理をする会社のようです。
偽装された販売サイト(ショッピングモール)名は「WORLD」となっていますし、サイトのURLはhttps://world-fast-shopping.shop/index.php
となっていて、「WORLD FIRST」を模したものだと言うことは一目瞭然です。
犯人が成りすました人物像
犯人が成りすました人物像は以下の通り。
現職業
ジュエリーデザイナー
ジュエリースタジオの経営
片手間で越境ECビジネスを学びながら展開。
生い立ち
出身地:京都府**市
年齢:不明
台湾からの帰国子女。
幼いころ台湾に出国し、台湾で育つ。
なので、日本語は流調ではない。
育てたのは叔父、叔母。
父親は起業家。
叔父は越境ECサイトの地域責任者。
※ 台湾で育ったことにしているのは、日本語がそこまで上手ではない外国人だからだと思われます。
LINE表示名
LINE表示名:〇〇甜奈
時系列
詐欺の手口を時系列で追ってみましょう。
2022/11/21
Facebook の*****より、友達申請があり登録。
11/22 16:24
Facebookのメッセンジャーにメッセージが入る。
以後毎日、メッセージのやり取りをする。
11/26 15:07
メッセンジャーにて「LINEを使っていますか?」の質問
11/27 5:29
LINE IDを回答(友人)
以後、LINEでのやり取りが始まる。
LINEの表示名は**甜奈
そして、毎日やり取りがはじまる。
同日
越境ECビジネスの話を匂わせてくる。
11/30
越境ECビジネスで月収が過去最高となったことを報告される。
12/1 17:50
越境ECサイトのURLを教えられ、登録方法を教えられる。
https://world-fast-shopping.shop/index.php?666
20:02
放置していると登録を促される。
登録方法を教えてもらいながら登録を済ませる。
出品方法も教えてもらい200の商品を出品する。
12/2
ECサイトのページビューが上昇し、早速一つの商品が売れる。
商品代金は$295.24
甜奈に連絡。
商品仕入れのための現金10万円をチャージする方法を知るために
ECサイトのアシスタントに連絡を取ることを教えられる。
管理サイト右下にあるアイコンからアシスタントスタッフをLINE登録するように促される。

管理画面
その時の振込口座名義は個人名だったため、
不審に思い甜奈(犯人)に確認する。
当然、「安全」との回答。
商品を購入するために現金10万円をチャージする。
海外送金と言うことで10万円はドル表示に変わる。
チャージした10万円の中から商品仕入れ代金$254.52を支払う。
(収益は$40.72となる。)
システムを確認するためと言う名目で$20または$50を自分口座に振り込む手続きをする。
$20の振り込みを選択し決定する。
数日後、$20は円建てで指定の銀行口座に振り込まれる。
12/3
昼頃、騙されていることに気付く。
以後、騙されたふりをする。
12/5
サイバー犯罪対策課に報告
最初に売れた商品が客に到着し、サイト内の口座(ウォレット)に販売代金が振り込まれる。
12/7
2日に1つの商品が売れた後、
9つの商品が売れていたが、仕入れ手続き及び発送手続きは行わない。
12/8
犯人が手動で出金手続きを行うことはわかっていたが
まず最初に現金の出金手続きを管理サイト内にて行う。
その後、来年早々に大きな現金が入ることを匂わせ、アシスタントに商品の削除と
既に売れている9つの商品のキャンセル方法を質問するが、
全て不可能との回答。
既に商品が売れているため、ウォレットの残金不足になっており、出金も不可能との回答。
利用規約の提示を促すが提示せず。
サインアップの時に表示されたはずで、見たら承諾したものと見なすとのこと。
サインアップ時、そのような利用規約の表示はなかった。
アシスタントの話は物別れになる。
被害額など
今回の被害額は10万円弱でしたが、商品が売れれば売れるほど仕入れ代金を支払わされるので、気づくのが遅れればさらに被害額が増えたはずです。
アシスタントLINE表示名:サービス178
被害額:100,000円-2,686円=97,314円
振込情報
振込日時 2022/12/02 11:17:39
振込先金融機関名 PayPay銀行
振込先支店名 つばめ支店
預金科目 口座番号 普通 ********
受取人名 サトウ ****
振込金額 100,000 円
入金情報
2022年12月03日 20:08:30
振込人名義:クスモト ****
振込金額 2,686円
まとめ
如何でしたか?
油断は禁物ですが、ざっくりとこの詐欺事件の概要がつかめれば同様の被害に遭う可能性は大きく下がると思います。
くれぐれも皆さまお気を付けくださいますようお願い申し上げます。