クロマグロ 資源量や食の歴史、養殖はどうなっているの?【まぐろマスクカバーダウンロードはこちら!】

日本や米国などが加盟する中西部太平洋まぐろ類委員会は2015年から国際的な漁獲規制を導入しています。

現在は規制が奏功して近年は回復傾向にあるようですね。

今や日本人のみならず、中国をはじめ、世界各国で引っ張りだこのクロマグロ。

食の歴史や養殖状況などについてリサーチしてみました。




概要

僕が子供の頃は回転寿司で3貫100円でクロマグロの赤身が回っていました。

キハダじゃなくクロマグロがですよ!

一貫のサイズも最近の回転寿司の倍くらいはありました。

しかし、昨今の回転寿司ではクロマグロが回っているのすら見ることが難しくなっているのが現状です。

キハダやメバチマグロなどの値段も高騰しています。

そう言えばカジキマグロも見かけなくなりましたね。

背景には日本だけではなく国際的な需要増加や資源保護のための漁獲量制限があるようです。

鳥取境港の水揚げの様子

出典;KYODO

あらためて考えてみるとマグロについて知らないことが多いことに気付き食の歴史や養殖の現状についてリサーチしてみることにしました。

資源量は回復傾向

クロマグロの需要増加や乱獲に伴い、太平洋クロマグロはその生息数を大きく減らし、絶滅危惧種に指定されているクロマグロですが、近年、国際的な科学調査での資源量が回復傾向であることがわかっています。

日本や米国などが加盟している中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は30㎏未満の小型のマグロと30㎏以上の大型マグロにサイズ分けし、2015年から国際的な漁獲規制を導入しています。

一時は乱獲により資源量が大きく減少したクロマグロですが、昨今では規制が奏功し資源が回復に向かっているようです。

2018年には2000年以降最多となるまでに回復していると言われていて、現在の規制措置を継続するれば、2024年までに暫定回復目標 (初期資源量の6.7%にあたる約4万3千トン)を98%の確率で達成するそうです。


出典;水産庁

資源量が回復してくれば、食卓に上がりやすくなるのでしょうか?

世界ではヘルシーな日本食がブームとなっています。

発展途上国の成長などにより、世界的需要がさらに高まれば、資源量回復により日本人がクロマグロを口にできる機会が増えると言うことは安易に期待できないのかもしれませんね。




日本人と鮪 食の歴史

マグロはその昔『シビ』と呼ばれていました。

万葉集や古事記にもその名で記載されているようですが日本人がはじめてマグロを口にしたのは何時の時代なのでしょうか?

現在の所、歴史上もっとも古く日本人がマグロを食していたのは縄文時代とされています。

今から約2000年も昔の話で驚かされますが縄文時代の遺跡からマグロの骨が石器と共に見つかっているようです。

しかし、それ以前は食していたという証拠がないだけで、もっと古くから関わっていた可能性も捨てきれません。

いったい、その頃どうやって大海を泳ぐマグロをどうやって捕っていたのか気になりますね!

江戸時代にも食用にされていたようですが「下魚」と言われ、今のように重宝されることはありませんでした。

当時は現代のように冷凍冷蔵機がなかったため鮮度を保つのが難しかったため、赤身部分を『ヅケ(漬け)』にして鮮度の低下を遅らせて食べていたようです。

現在では考えられませんがトロの部分は明治大正に至っても鮮度が著しく損なわれるため捨てられていました

昭和に入ってもトロ身より赤身の方が重宝されトロ身は価格が安く、マグロ問屋の賄い食やお金のない学生たちが食べる程度で市場には出る量は少なかったようです。

今の時代から考えると赤身よりトロの方が安かったなんて、生唾ものですよね。

1960年代になると冷凍冷蔵技術も発達するようになり希少価値の高いトロは赤身の価格を上回るようになり、日本人の食文化に無くてはならない存在に変わってきたようです。

マグロ養殖の現在

マグロ養殖と言えば近畿大学ですよね。

その近大は2020年、コロナウイルス拡大に伴い、マグロのマスクカバーを公開し大きな話題となりましたね。(笑)

田中萌アナ

出典;ABEMAtimes

マグロマスクカバーダウンロードはこちら!

ところで、近畿大学水産研究所がクロマグロ養殖の研究をし、2002年に完全養殖までに至ったことは有名ですが現在のマグロ養殖事情はどうなっているのでしょう?

マグロ養殖は日本国内のみならず、オーストラリア、メキシコ、地中海など海外でも行われています。

養殖と言うと稚魚(種苗)の生産から出荷までの完全養殖を思い浮かべますが海外では稚魚を海洋から漁獲して成魚に育てる畜養が行われています。

畜養では稚魚(稚魚と言っても小魚~30㎏前後)の調達を天然資源から行うため資源の枯渇に拍車がかかることが懸念されています。

また、近年ヨーロッパや中国をはじめ海外でもマグロの需要の高まりにより養殖に限らず以前のように安価で日本へ輸入することが難しくなっているようです。


出典;近畿大学水産研究所

日本では和歌山、沖縄、長崎、鹿児島、三重などで養殖が行われていて、稚魚を天然資源に頼らない完全養殖が主流になっているようですがまだまだ安定して大手スーパーなどに安定して供給できる状態には至っていないのが現状のようです。

まとめ

天然資源より食材を調達できることが一番良いことなのですが世界的な食文化の変化による需要の増加やそれに伴う資源の減少により全てを天然から調達することは今後とも考えられない状況にあります。

しかし、マグロを10㎏太らせるのに200㎏の餌が必要になり、その餌はイワシなどをまた天然資源から調達しなければならない。

種養にしても天然資源から種苗の調達しなければならず、天然資源の枯渇に繋がる。

漁師の高齢化により種苗の調達が困難になったり、種苗が高騰するなど養殖、畜養においても様々な問題があるのが現状のようです。

クロマグロに限らずマグロ類が高騰し、我が家でもマグロが食卓に上がる機会が減りました。

今後のさらなる養殖技術の発達により安価なマグロが食卓に並ぶことを願ってやみません。




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